30年くらい前、子供の頃、幼稚園だったか小学生低学年だったかは忘れた。ちな田舎住まい。近所にタクっていう狐色の毛がわりと長い犬がいて犬小屋が近隣住人しか通らない道路に面しててその家は垣根だったから
その道通るとめっちゃ吠えられた。
とにかく何か通ると吠える犬。
今思えば中型犬なんだけど幼い私達こどもにとってはライオンだった。
鎖に繋がれてるけどとにかく怖い。
でも怖いもの見たさなのか、他の道もあるけどみんなでそのタクの道を走って渡るのはスリルがあった。
一人で歩いて通るやつは勇者だった。
犬の前で立ち止まるやつは神。

そんである雪が降った日、結構積もって私はひとりでその家の近所の道路で長靴で雪の中歩いて遊んでたらなんか後ろからフンフン気配がしたから振り向いたらわたしの足元にタクがいた！
私は幼いながら死を覚悟したね。食われると思った。動けなかった。声出したら殺されると思った。
そのまま固まってたらいつの間にか犬はいなくなってた。

雪だから遊ばせようと飼い主が鎖離したんだろうか。田舎だから庭広いし。
でも別に閉まる門もコンクリの塀もないから外に出ちゃったんだろう。
あの吠えまくる犬が静かに私の足をフンフンしてたのが当時信じられなかった。この衝撃的事件を皆に話しまくったのか誰も信じてくれないだろうと黙ってたのかどっちかは忘れた。
とにかく思い出せる中で最古の命の危険を感じた出来事だったので書いてみた。
書いてみると幼ない日の私以外ほんとどうでもいい日常の一コマだな。

犬に恐怖してる俺はわかるよ
飼い主すら噛む犬がいると思うと噛み殺されるんじゃないかと思う