☆サムネ画像_話




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162: おさかなくわえた名無しさん[sage] 2011/11/15(火) 15:36:51.57 ID:i6wAkGV9
武勇伝、と言えるほどのもんじゃないけど、
他に該当スレが考えつかなかったので。

高校三年生の夏休み、前半でアルバイトして貯めたお金で、
後半、福岡から神奈川に越してしまった友人に会いに行った。
その帰りの新幹線で。

席の隣には、朝丘雪路からケバさを削いで、さらに上品にした
ような40代後半くらいの奥様が。
小説を読んでいるようだったけれど、小説を持っている手が、
ずっとぶるぶると震えている。

確かに、新幹線車内は冷房効き過ぎで、冷蔵庫並に寒かった。
ふと、荷物の中にかっこつけ用の無駄ジャケットが入っている
のを思い出し、それを出して「よかったらこれを着てください。
席も替わります。そちらの方が冷房が直接当たって寒いですし」
と言って渡した。

奥様はびっくりしていたけれど、素直に受け取って羽織ってくれ、
席も私の窓側と替わった。
そこへちょうど車内販売のワゴンが来たので、熱いお茶をふたつ
買い、ひとつは奥様に「これ飲んだら暖まりますよ」と渡した。

163: おさかなくわえた名無しさん[sage] 2011/11/15(火) 15:37:36.07 ID:i6wAkGV9
そこから先は、奥様のターン。
「ありがとうありがとう。本当に寒くて寒くて氏にそうだったの
助かったわ。私はこれから静岡の同窓会に行くところなの。
え?あなたはまだ高校生?え?大学生かと思ったわ!
じゃあ、卒業したらぜひ家に遊びにいらして。家は東京の青山と
いうところにあるの。大学生の息子が2人いて、都内どこでも車
で案内させるから!交通費だけ持ってくればいいから。家に泊ま
ってね。連絡先渡すから、絶対に連絡ちょうだいね。絶対よ」
(本当はこの3倍くらいしゃべってたけど、昔のことであんまり
覚えてないから割愛)

となんだか一気にまくしたてつつ、手帳を取り出して住所、名前、
電話番号を書き記して渡してくれた。
私は「え…あ…どうも」としか言えなかった。

奥様は浜松で降りるときも、ずっと手を振って「電話してねー」と
絶叫していた。

これで終わりです。奥様は、知らない人に親切にされて一時的に
テンションが上がってるだけだろうな、日常に戻ったら、いろいろ
忙しくて連絡もらっても迷惑だろうと思って連絡しませんでした。

164: おさかなくわえた名無しさん[sage] 2011/11/15(火) 15:38:19.06 ID:i6wAkGV9
私はもともと優しい人間じゃない。
たまたまその奥様がとても儚げで上品で、守ってあげなくちゃ!と
思わせるような人だった。
それに、自分の母親が人格障害だったので、こんな母親だったら…
とふと思っただけ。

私としては、あんなに喜んでもらえてよかった、それだけで満足。

現在の私はその奥様の年齢に近づきつつある。
今の時代だったら、メルアドを教えあって、年の離れた友人として
楽しくやり取りできてたのかな…と思うとちょっと寂しい気持ちに。
今もお元気で、優しい息子さんと孫に囲まれて幸せに暮らしていて
くれればと思う。

165: 2011/11/15(火) 15:40:51.66 ID:RHh5d8ct
>>164

はい!素晴らしい武勇伝をありがとうございます
このスレに貼ってくれて良かった
他のスレなら見る機会も無かったかもしれないので

166: おさかなくわえた名無しさん[sage] 2011/11/15(火) 15:54:52.54 ID:+9GIqc47
>>164

胸がほっこりしました



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