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80: 名無しさん@おーぷん 2018/05/04(金)01:56:48 ID:slV
もう30年ほど前のことだけど、第一子の長女を出産し、最初の反抗期を迎えた頃
その頃娘はお母さん全能説を持っていて、娘の反抗を分析した結果
ワガママは「お母さんが意地悪してやってくれないんだ!」という思考からきてるんだと判明した
そこでものすごく反抗したとき、淡々と「お母さんにもできないことはあるのよ」と真顔で伝えた
まだ3歳かそこらの、言葉もろくに自分で伝えられない子だったけど、私の言った言葉でハッとした顔をして、そのあと何かをジッと考え込む素振りを見せた
その頃娘はお母さん全能説を持っていて、娘の反抗を分析した結果
ワガママは「お母さんが意地悪してやってくれないんだ!」という思考からきてるんだと判明した
そこでものすごく反抗したとき、淡々と「お母さんにもできないことはあるのよ」と真顔で伝えた
まだ3歳かそこらの、言葉もろくに自分で伝えられない子だったけど、私の言った言葉でハッとした顔をして、そのあと何かをジッと考え込む素振りを見せた
それから反抗期はピタリとやんだ
何かを求めるとき、私にどこまでできて、どこからができないのかをじっと考えるようになった
言葉を覚えると、今度は考えていることをなんでも口に出すようになった
早生まれの割に語呂が多くて、人一倍お喋りなんだけど、子どもだから大人に意思が伝わらない
そして自分の喋りが伝わらないとわかると、じっと考え込んでどうして伝わらないのかを懸命に考えだした
そのうち大人が嘘をつくと理解しだすと、下らない嘘を一つついた
そして私に聞いた「良い嘘ってなに?」
娘がついた下らない嘘は良い嘘をつこうとして失敗したものだった
それからは小学校に入って三年生頃まで、頻繁に「この考えをあらわす言葉が見つからない」と言っていた
「こうこうこんな気持ちはどんな言葉で表現するの?」
これが口癖になった
「コレコレの言葉の意味って何?」と聞かれるより100倍難しい質問だった
他の親に相談したら、そんな事を口癖にしてる子はいなかったらしくて、よく「神経質な子なのね」と言われた
娘は一時期国語辞典にかじりついていたが、そのうち「国語辞典じゃ言葉の持つニュアンスや血の通った使い方がわからない」と言い出し
そのうち辞書を読まずに本ばかり読むようになった
それがいきすぎで、今では日本語に携わる仕事についている
我が家は夫も私も片親育ちでとても貧しく、高卒共働きだったから、正直長女とは幼い頃の触れ合いが他の子に比べてかなり乏しかった(専業が当たり前だった)
保育園・幼稚園に預けていたとは言え、思い返せば娘があれほど大人の言葉を理解し、豊富に蓄えていたことが不思議でならない
そして幼い頃あれほど色んな言葉を蓄えていた娘が、日本に大量に入ってくる横文字に全く対応できていないのが近ごろの衝撃
「たとえば英語のdutyは義務と訳されるけど、でも日本の義務とdutyはその言葉に含まれる根底の意識が全く異なる
日本人が義務というのと、向こうの人がdutyを使うときの意識は間逆に近いのよ
それが気持ち悪くて仕方ない、他にもっと適切な言葉はないものなの?
この意識の違いはあちらの文化を理解しなければ真に理解することができない
日本語の詫び寂びを英語に訳せないのと同じ
この気持ち悪さがわかる?」
そんな弱音と愚痴が送られてきたけど、カーチャン、難しすぎてわからないよ
何かを求めるとき、私にどこまでできて、どこからができないのかをじっと考えるようになった
言葉を覚えると、今度は考えていることをなんでも口に出すようになった
早生まれの割に語呂が多くて、人一倍お喋りなんだけど、子どもだから大人に意思が伝わらない
そして自分の喋りが伝わらないとわかると、じっと考え込んでどうして伝わらないのかを懸命に考えだした
そのうち大人が嘘をつくと理解しだすと、下らない嘘を一つついた
そして私に聞いた「良い嘘ってなに?」
娘がついた下らない嘘は良い嘘をつこうとして失敗したものだった
それからは小学校に入って三年生頃まで、頻繁に「この考えをあらわす言葉が見つからない」と言っていた
「こうこうこんな気持ちはどんな言葉で表現するの?」
これが口癖になった
「コレコレの言葉の意味って何?」と聞かれるより100倍難しい質問だった
他の親に相談したら、そんな事を口癖にしてる子はいなかったらしくて、よく「神経質な子なのね」と言われた
娘は一時期国語辞典にかじりついていたが、そのうち「国語辞典じゃ言葉の持つニュアンスや血の通った使い方がわからない」と言い出し
そのうち辞書を読まずに本ばかり読むようになった
それがいきすぎで、今では日本語に携わる仕事についている
我が家は夫も私も片親育ちでとても貧しく、高卒共働きだったから、正直長女とは幼い頃の触れ合いが他の子に比べてかなり乏しかった(専業が当たり前だった)
保育園・幼稚園に預けていたとは言え、思い返せば娘があれほど大人の言葉を理解し、豊富に蓄えていたことが不思議でならない
そして幼い頃あれほど色んな言葉を蓄えていた娘が、日本に大量に入ってくる横文字に全く対応できていないのが近ごろの衝撃
「たとえば英語のdutyは義務と訳されるけど、でも日本の義務とdutyはその言葉に含まれる根底の意識が全く異なる
日本人が義務というのと、向こうの人がdutyを使うときの意識は間逆に近いのよ
それが気持ち悪くて仕方ない、他にもっと適切な言葉はないものなの?
この意識の違いはあちらの文化を理解しなければ真に理解することができない
日本語の詫び寂びを英語に訳せないのと同じ
この気持ち悪さがわかる?」
そんな弱音と愚痴が送られてきたけど、カーチャン、難しすぎてわからないよ
83: 名無しさん@おーぷん 2018/05/04(金)03:43:52 ID:xsY
>>80
同じ言葉を使っても人によってニュアンスが違うし
0~1までの間には無数の変化があることを上手く咀嚼できてないんだと思う
0の次が1とは限らず0.1かもしれないし0.01かもしれない
0.1も0.99も0と1の間と言う意味では同じという事
義務とdutyについても日本人だからとかアメリカ人だからというものではなく
人それぞれ違うものなのだがそこが上手く飲み込めないんだと思う
同じ日本人でも正月や祝日に国旗を掲揚する人と、教師なのに国歌を歌いたくないし起立しないと言ってる人で
同じ「義務」と言う言葉を使った時の意味は違ってくる
アメリカ人は基本的に子供のころから学校で毎日国旗に向かって胸に手を当て国歌を歌う
「義務」とは何かと言う考え方が違う
だが、だからと言ってみんながみんなそうだと言うわけでもない
一人一人思い描く想いが違うのに人の数だけ言葉を用意することは出来ない
84: 名無しさん@おーぷん 2018/05/04(金)04:18:53 ID:jFn
>>80
長いのにスラスラ読めた
日本語しゃべってても通じないなあと思うことがよくあります。その場はスルーしてしまうし、難しいですよね。
85: 名無しさん@おーぷん 2018/05/04(金)07:44:31 ID:YdD
>>80
天性の言語学者だな。その才能と情熱を言語学や文学に向けてほしいもんだ
86: 名無しさん@おーぷん 2018/05/04(金)09:59:16 ID:idQ
>>80
「日本語」で生計成り立つほどの娘さんだからこその悩みだな
むかし公とされた日本語訳が変で、なのに当時のそれが今の時代まで続いていて意志疎通に問題が生じる英単語って意外に多いんだよね
もちろんそれでなくても英語は日本語と違って単語が少ないからニュアンスで読み取るしかない場面も多々あることが前提だけど
87: 名無しさん@おーぷん 2018/05/04(金)10:59:11 ID:A7g
>>80
面白かった
月が綺麗ですねとか
君の瞳に乾杯とかの超意訳に対してどう思うのだろう
92: 名無しさん@おーぷん 2018/05/05(土)16:46:34 ID:JlA
>>80
娘さんには日本の義務は神道や仏教ベースの同調圧力から、
他人の目を比較して自発的に発生する
場合が多いが、
外国の個人主義的な国の場合は
宗教の教義により発生するもの(聖書やコーランなど)
が多いとネットで言う人がいたと
話してみて下さい。
つまり義務の根底にあるのは宗教観です。
日本と世界の宗教観は違います。
宗教の無い隣国(中国や朝鮮など)もやはり日本人の義務感とは
違います。
97: 名無しさん@おーぷん 2018/05/06(日)10:49:50 ID:I2x
>>80
「神と自然の科学史」川崎謙(講談社選書メチエ、2005年)をお薦めします。
西洋文化と自然科学はキリスト教を始めとする一神教に基づいています。
その世界観は言葉にも影響を与えています。
承知かもしれませんが、宗教的な側面も理解されると面白いと思います。