数年前の友人の話です。
下手をすれば新聞沙汰になるような事件でした。

私（男）　20歳
Ａ男　21歳　私の友人
Ｂ子　20歳　Ａ男の彼女
祖父　私の祖父だがあまり話に関係無い
Ｚ翁　Ａ男の祖父　祖父の友人　重要無形文化財保持者いわゆる人間国宝

私の祖父には、人間国宝のＺ翁という友人がいます。
ジャンルをいうと特定されてしまうので、職人系とだけ言っておきます。

Ｚ翁は、よく我が家を訪れて祖父と呑んだり、私と遊んだりしていました。
将棋や麻雀などは、Ｚ翁から習いました。

その際、Ｚ翁の孫たち（男二人女一人）も一緒に来ました。
私や私の兄弟は、Ｚ翁の孫たちと仲良く遊んでいました。
これは孫の一人、Ａ男の話です。

Ａ男は職人を目指しているわけではなく、普通の大学生です。
Ａ男たちＺ翁の孫とは、大きくなってからも仲が良いままでした。
だから、よく遊んでいました。

ある時、Ａ男から「彼女が出来たから紹介したい」との連絡がありました。
ファミレスで私・Ａ男・Ａ男の彼女Ｂ子の三人で会うことになりました。

Ｂ子には今どきの女の子という印象でした。
いわゆるギャル系でしたが、今どきの子であれば常識の範囲内。
悪印象はありませんでした。

そもそも、人の恋人に口出しする気はありません。
簡単に自己紹介をしたり、なれそめを聞いたりしてお開きに。

Ａ男とＢ子が付き合いだして数ヶ月後。
ある事件が起きました。

Ａ男の自宅に飾られているＺ翁の作品が、一つ無くなったのです。
Ｚ翁は、ノリで人に作品をあげてしまうことがあります。
家人は今回もそうだろうと思ったそうです。

でも、Ｚ翁が
「無くなった作品は、壊すには勿体無いが人に渡せるほどの出来ではない」
と言ったので、これは盗難だろうということになりました。

でも、もしかしたら家人の誰かが犯人かもしれません。
Ａ男の家族は、警察への連絡を迷っていたそうです。

しかし
「もし、あんなものが売られたら俺の一生の恥だ。物だけでも取り返したい」
とＺ翁が言ったので、警察に連絡し来てもらいました。

しばらくして、犯人が見つかりました。
お察しの通り、Ｂ子でした。

Ｂ子は「人間国宝の作品なら高く売れるだろう」と思い、盗んだそうです。
Ｂ子は価値を分かっておらず、数万円位だろうと思っていたそうです。
Ｚ翁作品の金額や、警察沙汰になったことを知り、怖くなって自白しました。

Ｚ翁は、作品さえ戻ればよかったそうで不問に。
不起訴？（被害届取り下げ？）になりました。
（法律関係はよく知りませんが、Ｂ子は警察に捕まりませんでした）

その後、当然、Ａ男はＢ子と別れました。
でも。Ｂ子は半年くらい復縁を迫り続けました。
メールをしたり、待ち伏せして迫ってきたそうです。

人間国宝の作品価値ってそんなにすごいものなんだ

その後、戻ってきた作品はげんが悪いからとＺ翁が破壊しました。
ちなみに、Ｚ翁の作品は百万円くらいはします。

> 百万円
さすが人間国宝。
しかも壊したって・・・・もったいねええｗ

あくまでも家に置いていたものだし、
作品として満足に人様に見せられるものではなかったのだから、
当人にしたら決して勿体なくはない
それにしても、脳味噌の軽い奴って本当にアクティブだよな