本命に落ちて滑り止めの大学に進学。
半年位やる気が起きないまま通学。

ちょいキツめで派手な女の子に声かけられて、付き合う事になった。
正直、俺まだやる気起きず、彼女の事が好きかどうかも分からない状態。

ある日、彼女に「絶対に来て！」と言われて飲み会へ。
彼女は最初から俺の事を無視。
ガタイのいいチャラお達と騒いでいる。

最初は「なんなんだ、あいつ」位にしか思ってなかった。
でも、二次会でも同じ状態。

誰も知らない所にノコノコやって来て、あいつらを眺めるだけの自分。
無性に腹が立って来た。
血がたぎる感じ、久しぶりに生気が戻ったのかな。

「圭子、ちょっと来いよ」と呼んでみた。
絶対に聞こえる筈なのに、聞こえないフリをする圭子。

俺は一年ぶりにキレた。
「圭子！聞こえねえのか！こっち来いって言ってんだろうが！」
と、怒鳴りまくってしまった。

元々声大きい方なので、場が静まり返っちゃった

圭子はギョッとした顔で振り向くと、引きつった笑顔で俺の隣に座った。

圭子「どしたの？大きな声出して」
俺「お前、舐めてんだろ？」
圭子「え」

普段大人しい俺の豹変ぶりに絶句の圭子。

俺としては、本来の明るく元気な俺に戻りかかっただけ。
俺「なんでこんな所に俺を呼んだんだ？」
圭子「いや、あの」

引きつりまくる圭子を見兼ねてか、ガタイAが間に入ってきた。

A「まぁまぁ、彼氏さん、落ち着いて」
俺「全く落ち着いてるけど。間に入ってくんなよ」
A「」

再び凍りつく空気。

圭子「ごめんなさい」
俺「日本語分からんのか、お前。なんの為に俺を呼んだんだ？」

ガタガタ震え出す圭子。普段とは大違い。

ガタイB「彼氏さん、怒んなって。可哀想じゃん」
酔ったBが気安く俺の肩を叩く。
俺「気安くさわんな、ハゲ」
B「なんだぁ？お前！」

俺の胸ぐら掴まえて立ち上がった時、テーブルが圭子の腹に当たった。
痛がる圭子に向かって、「バチが当たったんだ、ボケ！」と言ってしまった。
「お前言い過ぎだろ！」と、俺を小突くC。

頭に来た俺、グラスの焼酎をそいつの顔にかけた。
そして空になったグラスを床に叩きつけた。
こいつ、ボート部の連中。

Cがすごい勢いで殴りかかって来て、俺一発軽くもらう。
他の女子数人と圭子が止めにはいる。

軽く入っただけなのに、運悪く八重歯に当たって口の中大出血。
シャツが赤く染まった。

相手は四人、「ちょっとマズイかな」と思ったけど、もう止まらない。
ヤケクソになるしかない。

俺は、椅子を持ち上げて振り回した。
数人に当たったと思う。

こーいう女ってなんなんだろうね。
私は蝶々。早くしっかり捕まえないと、飛んでっちゃうZO
とか思ってんのかねw

思っているんだろ同じ女として反吐が出るわ。

このクソ女が何がしたかったのか分からない。頭沸いてるの？
っていうか、終わり？その後どうなったの？

店員が出て来たので、その場は無理矢理収めた。
何も壊れてなかったんで、警察も呼ばれずに済んだ。

気付いたら、結構みんな顔腫らしたり血を出したり。
肝心の圭子は隅っこで泣いていた。馬鹿が。

俺はそのまま帰宅。
圭子から電話・メールの嵐だったけど、当然無視。

翌日、ボート部の連中が謝ってきた。
大人数で悪かったと。

圭子はそれから三日位無視。
喋りかけてきても何してきても、空気とみなした。

これから四年間、この大学に通わなければならない。
このままもウザいと思い、四日目に圭子と話した。

圭子、なんて言ったと思う？
「俺が大人し過ぎてイラついた」だとよ。
だから他の男と仲良くしてるとこ見せて、ヤキモチ焼かせたかったとか。

「そうだったのかぁ。可愛い奴だねぇ」と思う筈もなく、即ギリ。
学食で声だして泣き出したのには少し参った。